江戸川区周辺に中村屋というスーパーがたくさんありますが、これらは同じ会社ではなく、暖簾分けを繰り返してこうなったそうです。大型チェーン化が進む現在においては珍しい例ですね。
ということで、その中村屋を勝手に巡っていきます。もちろん、その途中にあるスポットにも立寄っていきます。
個人的には、スーパーでは日配(豆腐・麺・生菓子等)や惣菜の違いを見たり、どの部門が自前かを気にしてみたりするのが楽しいと思っています。
※実施日は6月13日(土)ですが、ほとんどの写真は前週の下見の時のものです。
開始地点は大島駅です。中の橋商店街に、大島中村屋があります。看板建築風の建物で、街の青果店が大きくなったような雰囲気です。また、道路を挟んだ反対側にも売り場があります。
※大島中村屋サイトの会社沿革も参考にさせていただきました。
大島中の橋商店街はあまり話題にはなりませんが、都内有数の規模を誇る商店街です。特に青果店や食料品店の数がかなり多く、道路に張り出したテントや商品が、昔ながらの賑わいある商店街の雰囲気を感じさせます。
下の写真のように、より古い佇まいの家屋もあります。
竪川の中之橋、東洋モスリン跡地を経て、旧中川のふれあい橋を渡ります。あじさい祭りが行われていました。非常にのんびりとした川です。
橋を渡って少し東に、平井浅間神社があります。富士塚です。
平井の商店街の中に、平井中村屋平井店があります。平井で始められた乾物店が中村屋の発祥とのことです(開業地はここより南の小松川)。この建物も裏を見れば普通の日本的な家屋ですね。雰囲気や規模は大島と似ています。
かつては城東電気軌道という電車が走っていた小松川。現在は再開発されてマンション・団地となっています。その中にあるのが、平井中村屋の小松川店です。これは支店です。
創業地の近くということで、昔の写真が掲示されています。こうした外装はスーパーとしてはとても珍しいですね。地場スーパーならではです。売り場面積は平井店よりも広そうでした。こんなに近くに支店があっても食い合わないものなのでしょうか。
荒川放水路・新中川を渡って、松江へと向かいます。この小松川大橋はとても長いので、徒歩で渡る人はあまり見かけません。高速道路がぐるりと見渡せます。
今井街道をしばらく進みます。このあたりの商店街(西小松川商店街)はかなり寂れていますが、古い建物はいくらか残っています。
城東電気軌道一之江線の廃線跡も少し覗いてきました。といっても、ほとんど普通の道路と宅地になってしまっています。わずかに妙な余り方をしている土地がそれっぽいのですが、普通は気づかないでしょう。
廃線跡沿いの公園で休憩です。
松江は小松川と一之江の合成地名です。私はこの松江が東京の中でもかなり好きで、たびたび紹介しているのですが、あまり食いつきがよくありません(笑)。現在は鉄道はありませんが全体に地方都市的な独特の雰囲気があり、良い所です。
その松江にも松江中村屋があります。
真正面にマルエツがあり苦しい立地ですが、利用客はそれなりにいるようでした。私はここのチキンカツを買いました。ボリュームがあって安いです。新川沿いの三角にも支店があります。
近くにあるもうひとつの地場大型店が、亀戸の衣料品店いなきやの松江店です。しかしこの散策の時点で閉店が決まってしまいました。
いなきやには年代物のエスカレーター・日立エスカレーンもありました。
松江には歩道上にアーケードのある商店街が健在で、亀戸の佐野味噌の大きな支店もあり、見どころ豊富です。松江の交差点から少し北の東小松川ストアーもレトロです。
松江からは同潤会通りを北上し、いまだ数軒残る同潤会時代の住宅を見たあと、その中心にあたるニコニコ商店会に出ます。ここも少し大きめの造りの店舗がある、独特な商店街です。
その商店街の北寄りに、大杉中村屋風楽里(ふらり)があります。ここはかなり大型の店ですが、二階の売り場は使われていません。現在は中村屋と称さない事業体によって営まれているようです。店内は近代的な明るいスーパーそのものでした。
大杉というのはローカルな地名ですが、ここから少し離れたあたりの集落の地名だったものです。
さて、いよいよ今回最後の中村屋へ。
小松川境川親水公園・江戸川区役所前を経て、平和橋通りへと出ました。
途中でいい感じの蓋暗渠道を見つけました。というか何度も通っていたはずなのに、いままで気づきませんでした・・・。
アーケードのあるルミエール商店街に入ります。江戸川区と葛飾区のちょうど境界、その江戸川区側に新小岩中村屋(神宮司商店)があります。入口から見ると非常に小さいですが、奥にもう1軒分くらいのスペースが続きます。ここは各地から取り寄せたような少し変わった商品も置かれています。これまでの店舗よりは駅前的な感じもありますね。
そのまま新小岩駅へと進んで、この散策会は終了です。
この回はかなり地味でしたが、地場スーパーがいまだ多いというのも東京郊外の特徴でもあり
(地方は大型スーパーや大型チェーンに集約されつつあるので)、またそれも時代の変化でいつまで続くかわからないため、一度はこうした企画をやってみたいと思っていました。
今ある風景をきちんと見る、というのが私の散策姿勢の基本なので、今後もこうした企画が続けられたらと思います。
※無料のゆるい散策会のため、店舗協力等は打診せずおこなったものです。
スーパー巡りの際は買い物等もして、お店の迷惑にならないようにしましょう。
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